皆さんは、外壁カバー工法をご存じでしょうか。 カバー工法とは、外壁メンテナンス方法のひとつなのです。 「カバー工法って何?」「塗装とカバー工法はどう違うの?」と疑問を抱いている人もいると思います。 そこでこの記事では、外壁カバー工法のメリット、デメリット、施工事例や費用、いい業者の探し方について解説します。
目 次
皆さんは、外壁カバー工法をご存じでしょうか。
カバー工法とは、外壁メンテナンス方法のひとつなのです。
「カバー工法って何?」「塗装とカバー工法はどう違うの?」と疑問を抱いている人もいると思います。
そこでこの記事では、外壁カバー工法のメリット、デメリット、施工事例や費用、いい業者の探し方について解説します。
外壁カバー工法とは
外壁カバー工法とは、既存の外壁の上から新しい外壁材を重ね張りする工法です。
塗装工事と違い、様々な特徴があります。
まず、カバー工法のメリットやデメリットを詳しくご紹介していきます。
外壁カバー工法のタイミング
外壁のメンテナンス方法は、「外壁塗装」「外壁塗り替え」「外壁カバー工法」の3つがあります。
その中でもカバー工法を検討するべきタイミングをお伝えします。
外壁に剥離や割れが複数ある場合や外壁から雨漏りを起こしている場合はカバー工法を検討した方が良いでしょう。
外壁カバー工法とは、外壁材が劣化していても強度に問題が無い場合に行われるリフォームです。
劣化が激しい状態で塗装を行うことは難しく、劣化箇所の修繕を行う必要があります。修繕費用に加え、塗装をするよりも外壁カバー工法で上から新しい外壁を張ることでコストも安く、耐久性が上がるのです。
しかし、劣化症状が出ており、築年数が30年以上経過している場合はカバー工法よりも張り替えの方が良い場合もありますので業者の方に相談する必要があります。
もし、外壁の劣化が軽度で補修可能レベルなクラックが出来ている場合は塗装がおすすめです。
カバー工法に比べて塗装の方が安価で出来るため、軽度の外壁の劣化に関してお悩みのある方は塗装を検討された方がいいでしょう。
建物の状態をしっかり調べ、把握し外壁の状態にあった工事を選ぶ必要があります。
外壁のカバー工法のメリット
外壁カバー工法のメリットは、下記の4つです。
・工事にかかる費用が安い
・工期が短い
・防音性と断熱性が期待できる
・外観の印象を大きく変えることができる
では、メリットを解説していきます。
工事にかかる費用が安い
外壁カバー工法は、家に住みながらの工事で、既存の壁の上に新しい外壁材を貼る為、張り替えリフォームと違い既存の外壁を剥がす必要もありません
また、アスベスト含有の外壁を使用している住宅の場合、アスベストの処理費用がかからないこともメリットです。
外壁カバー工法にかかる費用相場は、30坪の住宅の場合で160~220万円です。
しかし、挟小地や3階建ては作業性が悪くなるため、工事価格が高くなります。
2トーンなど色や柄を分けると工事価格が変わります。また、アパートなどの集合住宅はガス設備やエアコンなどが多いため、付帯物の脱着費用が余分にかかります。
工期が短い
既存外壁の撤去作業がないため、短い期間で工事が終わります。
それぞれの工事日数の目安は、以下の通りです。
外壁カバー工法:10~14日
外壁張り替え:14~21日
外壁カバー工法は、出来るだけ早くリフォームを終えたい人に適した工事といえるでしょう。
防音性と断熱性が期待できる
既存の外壁の上に新しい外壁を重ねる為、二重になる事で防音性が高くなるといわれています。
外壁材を重ねることで壁と壁の間に空気が入ります。
その空気が温かい空気や冷たい空気を遮断するため、夏は涼しく冬は温かい室温を保つことができるのです。
光熱費の節約にも繋がり、外からの騒音も遮断することができるので快適に暮らすことができます。
外観の印象を大きく変えることができる
カバー工法で使われるサイディング外壁材は、レンガ調やタイル調など様々なデザインがあります。
そのため、色だけではなく外壁の質感やパターンを変えることができるので現在の建物の雰囲気をガラッと変えたいときにおすすめです。
外壁のカバー工法のデメリット
外壁カバー工法のデメリットは下記の3つです。
外壁カバー工法は、壁の内部の劣化状態を確認できないため
・上から張り付けた外壁材がしっかり固定されずに崩れてくる
・崩れた箇所から雨水が侵入して雨漏りが発生する
・建物内部の劣化が進行し、耐久性や耐震性が低下する
というデメリットがあります。
カバー工法は、現在の外壁を剥がすことはないので内部の状態を確認できません。
もし、気づかないうちに内部の劣化が進行していた場合、再度工事が必要になってしまうリスクを理解したうえで工事をする必要があります。
それに、カバー工法は外壁の表面をきれいにする工事の為、下地や防湿シートなど建物内部の劣化を修繕することもできないのです。
もしも、建物内部が劣化している状態で外壁カバー工法をすると、上記に記載している不具合につながる可能性があります。
外壁カバー工法は他の工事と比べて費用が安いため、魅力的ですが様々なリスクがあります。
そのため、プロに診断してもらうなどよく考える必要があるのです。
サイディングの種類
サイディングとは、外壁の仕上げ材として用いられる板状の建材のことをいいます。
現在の外壁の上にこのサイディングを重ね張りしていく方法を「カバー工法」といいます。
外壁工事で用いられるサイディングは「金属系サイディング」「窯業系サイディング」「樹脂系サイディング」「木質系サイディング」の4種類があります。
では、サイディングについて解説していきます。
窯業系サイディング
窯業系サイディングとは、セメント質と繊維質を混ぜ合わせ窯で仕上げたサイディングです。
1㎡あたりの単価は4~5千円前後です。
窯業系サイディングのメリットとデメリットをご紹介していきます。
メリット
・デザイン性に優れている
・ラインナップが多い
石柄やタイル柄、木目柄など種類も多く幅広い外観スタイルに対応できます。
デザイン性の高さが魅力です。
・防火性が高い
セメント質のものと繊維質を混ぜ合わせて作られた板で、衝撃や地震の揺れにも強いのが特徴です。また、防火性能で火が燃え移りにくいため住宅密集地でもよく使用されています。
・価格が安い
サイディングの中では一番安いです。
デメリット
・防水性能がない
サイディングボード自体に防水性能がないため、窯業系サイディングを施工する際は塗装による防水加工が必要です。
・コーキング部分にもメンテナンスが必要
コーキング部分が劣化してしまうと隙間ができ雨水が浸入してしまう原因になります。
樹脂系サイディング
薄くて軽いが、強度もあるのが特徴のサイディングです。アメリカやカナダで使用されており、日本でも徐々に注目されている素材です。
1㎡あたりの単価は8千円~1万円ほどです。
樹脂系サイディングのポイントをご紹介していきます。
メリット
・塩害・凍害に強い
潮風で錆びることもなく寒暖差での劣化もしません。
・塗り替え不要
色褪せや変化に強く長期にわたって美しさをキープすることができます。
・超軽量素材
金属サイディングよりもさらに軽い素材です。
・掃除がしやすい
軽い汚れなら、水をかけるだけで綺麗な状態に戻せます。
デメリット
・デザインの種類が少ない
・施工できる業者が少ない
・施工費が高額
・温度差で伸縮する
しかし、日本でのシェア率は、1%程度とかなり低いのが現状です。
まだまだ認知されていない素材といえるでしょう。
木質系サイディング
木質系サイディングとは、天然の木材に塗装を施したサイディングです。
1㎡あたりの単価は約6千円が相場ですが、高価なものになると1万円を超える場合もあります。
木質系サイディングのポイントをご紹介していきます。
メリット
・天然の木材を使用している
温もりのある仕上がりでおしゃれな外観に仕上がります。
・高い断熱性能がある
デメリット
・燃えやすい
・腐りやすい
・他のサイディングより費用が高い
・施工できる業者が少ない
金属系サイディング
金属系サイディングとは、ウレタンなどを芯材とし、裏面にアルミを使用したシートを使ったサイディングです。
1㎡あたりの単価は4~5千円前後ですが、金属の種類やサイディング材の厚さなどによって値段が大きく異なり、3千弱~1万円強かかる場合もあります。
金属系サイディングのメリットとデメリットをご紹介していきます。
メリット
・耐久性がある
・熱と凍結に強い
寒暖の気温差で劣化が起きる「凍害」に強いのが大きな魅力です。気温に関係なく使用することができます。
・防音性がある
・素材が軽い
素材が軽いため、作業をスムーズに行うことができ、サイディングの中で最も耐震性が下がらない素材です。
デメリット
・錆びが発生しやすい
・傷がつきやすい
・デザインの自由度が低い
金属系サイディングで代表的なのがガルバリウム鋼板とアルミニウム合金です。
ガルバリウム鋼板の費用は1㎡あたり6000円台、アルミニウム合金は11000円台です。
この板状のサイディングをどの向きで貼るかによって費用が異なります。
金属サイディングは、表面にデザインすることができるため、おしゃれな外壁に出来るのも外壁カバー工法の魅力のひとつです。
カバー工法では、外壁が重たくなるのを防ぐ為、軽い「金属系サイディング」を用いることがほとんどです。
外壁のカバー工法の工程・日数
①既存外壁のチェック・補修
まずは、外壁材の状態を施工業者が確認します。
外壁のカバー工法では、既存の外壁が新しい外壁材の土台となる為、雨漏り・ひび割れ・腐食はないかの調査を行います。
大きな異常がある場合は、カバー工法で工事が出来ないと判断される可能性があります。
②仮説足場の組み立て
高所作業用に足場の設置を行います。
カバー工法は、建物全体を工事するため家の周り全体に設置します。
③土台水切りの設置
土台水切りとは外装の下端に取り付けられる部材です。
土台水切りを設置することによって、床下の換気や壁内の通気を確保することができ、水が中に侵入するのを防ぐことができます。
④胴縁の留め付け
次は、外壁材を付けるために下地となる胴縁を張り付けます。
胴縁を貼ることで外壁材を直貼りせずに済むため、完成後の外壁内の通気性が高まり、雨漏りや結露を防ぐことができます。
⑤見切り材の取り付け
窓サッシ周辺に必要な場合のみ見切り材を取り付けます。
窓サッシと新しい壁の間に空間が出来てしまう事を防ぎ、防水処理を行っています。
⑥サイディングの張り付け
新しい外壁材を張り付けていきます。
カバー工法では、金属系サイディングを使用する場合がほとんどです。
⑦目地のコーキング
コーキングとは、壁の隙間を埋めるために充填剤で防ぐ作業のことです。
コーキングをすることで、水の侵入を防ぎ外壁の負担を軽減する事が出来るため、建物の劣化を防ぐことができます。
⑧完了・引き渡し
最後に、仕上がりのチェックや必要に応じて手直しを行う場合もあります。
最後に足場を解体すれば、外壁のカバー工法工事は完了です。
外壁のカバー工法のいい業者の探し方
外壁カバー工法をする上で大切なことは、現在の建物の状況を信頼のできる業者に正しく判断してもらう事です。
実績のない業者に依頼し、間違った判断をされてしまうと内部の劣化が進んでしまい、また工事しなければならなくなってしまいます。
また、事前の説明が少なかったり、見積書や契約書への詳細な記載がないとトラブルの原因となってしまうため納得のいく説明と内容の記載をしっかり行っている業者を選ぶと安心です。
アフターケアがあるかどうかも見極めのポイントです。
まとめ
外壁カバー工法は、元々の外壁材の強度は保たれているが、劣化や割れ、雨漏りを起こしている場合カバー工法がおすすめです。
しかし、カバー工法は費用が安く、工期も短いというメリットがありますが、外壁張り替え工事と違い、既存の壁から新しい壁を重ね張りするため壁の内部の状態が確認できないというデメリットもあります。
外壁のメンテナンス方法は、「外壁塗装」「外壁塗り替え」「外壁カバー工法」の3つがあるため、外壁の状態にあったメンテナンス方法を選択する必要があります。それに、業績がしっかりしている、なおかつアフターフォローがある会社を選びましょう。
カバー工法は張り替えと比べて安価でできますが、さらに低価格をご希望の方は塗装がいいでしょう。
外壁の劣化が軽度で補修可能なクラックが出来ている場合は塗装をおすすめしています。
このように、様々なメンテナンス方法があるため建物の外壁の状態にあった工事を検討する必要があります。
以上が外壁カバー工法についてでした。
まだ、カバー工法や張り替えをするまでの劣化状態では無い方や、塗装をお考えの方はお気軽にご相談ください。
当社は、安心価格・高品質・確かな技術力・万全のアフターフォローを提供している塗装会社です。
塗装に関するお困りごとがございましたら住まいるヒーローズまでお問い合わせください。