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外壁塗装に火災保険は使える?火災保険の申請手順や助成金について

外壁塗装を検討している際に、「火災保険を申請すれば外壁塗装を無料でできます!」等の勧誘を受けたことはありませんか? 一般的に戸建ての外壁塗装には高額の費用がかかるため、火災保険を適用してカバーしたいと考える方も多いでしょう。 全額自費で払う必要がある部分も、保険を活用することで自己負担をゼロにすることも可能です。 しかし、火災保険は必ず使えるわけではなく、保険の適用条件を満たしておく必要があります。 本記事では、外壁塗装に火災保険を使う条件や受給までの流れ、利用時の注意点について詳しく解説します。 これから戸建ての外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装を依頼する前に火災保険に加入しているかを確認


そもそも、火災保険に入っていなければ適用できるかどうか以前の話になります。
火災保険の契約書や保険証券を確認してみましょう。

これから解説する補償の範囲や条件、免責金額が記載されていますので、それを踏まえて外壁塗装に適用できるか見ていきましょう。

火災保険の種類


住宅用の火災保険は大きく5種類です。

①住宅火災保険

住まいが火災の被害に遭った際の損害を補償する保険です。火災に加えて「落雷」「破裂・爆発」による損害も補償されます。

②住宅総合保険

住宅総合保険は住宅火災保険ではカバーされない損害についても補償が出来ます。火災や風災などの自然災害に加えて水害や雨漏り、人災による破損、盗難などにも対応しています。

③オールリスクタイプ(補償範囲の広い新しいタイプの保険)

オールリスクタイプは住宅創造保険よりもさらに補償の範囲が広かったり、損害箇所の修理費用の実費が補償されたりします。

④団地保険

団地保険は、住宅総合保険の補償内容に加えて、借家賠償責任保険や個人賠償責任保険など戸建てでは発生しない事態に備えた補償があります。

⑤店舗総合保険

店舗と住宅を兼ねている場合、通常の住宅保険では店舗部分は適用外になってしまいます。
そうならないためにも店舗総合保険という保険があります。
事業者向けの補償内容になっているため、業務用什器や備品の補償が可能です。

発生した損害の理由によっては外装塗装工事で火災保険を適用することができます。

火災保険の適用条件と範囲と対象について

自身が加入している火災保険の内容によって適用できる条件は異なるため、よく確認しましょう。
火災保険は、補償の対象を「建物のみ」か「建物+家財」から選ぶことができます。

建物とは、建物本体やそれに付随する門や塀、フェンス、物置やガレージなどが含まれます。
家財とは、家具や家電、洋服やカーテンなどです。

火災保険の補償の範囲は、前述したように加入している火災保険の種類によって異なります。
注意したいのは、自然災害の中でも加入しているプランによっては保険の対象外になる可能性もあるということです。

また、地震による建物の破損や火災については火災保険の対象にはなりません。
地震の対策には別途地震保険に加入しましょう。

対象にならないものとして、経年劣化があります。
経年劣化した外壁塗装を補修した場合は、火災保険の適用はできません。
保険が下りるのはあくまでも災害などが理由で補修した時に限ります。

自分が住んでいる地域にどんな災害が起きやすいか、ハザードマップなどを確認して内容をよく検討しましょう。

火災保険の適用条件

外壁塗装に火災保険を使うためには、下記の条件を満たす必要があります。

・外壁・屋根の破損が災害によるものであること
・災害による被害を補償する火災保険に加入していること
・被災から3年以内に申請を行うこと
・補修費用が火災保険の免責金額を超えていること

それぞれ詳しく解説していきます。

外壁・屋根の破損が災害によるものであること

前提として火災保険が外壁塗装に適用されるのは、「災害によって外壁・屋根に補修・塗装などが必要になった場合」のみです。

経年劣化や施工不良によるものは火災保険の対象外となります。

外壁・屋根の破損の原因が、火災か自然災害でなければ火災保険の補償は受けられません。

ここでいう自然災害とは、風災(台風)・雪害(豪雪)・豪雨などです。

水害(洪水・高潮など)や窃盗、騒擾は、プランによっては補償の対象外なので、注意しましょう。

また、地震による火災や破損も火災保険の補償対象外です。

地震による被害まで保険でカバーしたい場合は、地震保険に別途加入する必要があります。

災害による被害を補償する火災保険に加入していること

外壁塗装に火災保険を適用するためには、災害による被害を補償する火災保険に加入しておく必要があります。

災害による被害を補償する火災保険に加入していなければ、風災や豪雨によって外壁・屋根に被害を受けたとしても、適用されない可能性が高いです。

一般家庭向けの火災保険は「住宅火災保険」「住宅総合保険」「オールリスクタイプ」などの種類があり、内容は先述した通りで加入する保険や特約の有無によって補償範囲が異なります。

災害による被害でも、その災害が加入している火災保険の補償範囲に含まれていないと保険金はおりないため注意しましょう。

被災から3年以内に申請を行うこと

外壁塗装に火災保険を適用する条件として、被害を受けてから3年以内に申請しなければなりません。

火災保険を申請する場合は災害等による被害を把握し、全ての手続きを済ませる必要があります。

被害から3年を過ぎると、被害の原因特定が難しくなることや、保険金の請求権が消滅時効を迎えます。

火災保険が使えることを知らずに補修してしまった場合でも、被害を受けてから3年以内なら必要書類を準備できれば請求が可能です。

また、大規模災害時などは3年以上経過した場合でも火災保険を請求できるケースがあります。

不安な場合は、一度保険会社に相談してみるといいでしょう。

補修費用が火災保険の免責金額を超えていること

火災保険には、損害が一定額以下の場合は契約者の自己負担で補修する「免責金額」が定められています。

保険のパンフレットなどでは、自己負担額と表記されています。

外壁塗装に火災保険を使うためには、補修費用が火災保険の免責金額を超えている必要があります。

火災保険は主に「フランチャイズ方式」と「エクセス方式」の2種類に分類され、それぞれ免責金額が異なります。

フランチャイズ方式は、免責金額が20万円で損害額が20万円を超えれば全額補償されるといったものです。

エクセス方式は指定の免責金額から契約者が任意に選択し、損害額から免責金額を差し引いた金額を補償してくれます。

補修を依頼してから火災保険が適用されないことを知ってしまうと、全て自己負担になるため、あらかじめ補修工事の見積もりを取得し、保険の種類と免責金額を確認しておくことが重要です。

外壁塗装で火災保険を使う時の注意点

外壁塗装で火災保険を使う時に注意することは下記の4点です。

・被害状況を「そのまま」写真に残す

・被害を受けてから3年以内に申請

・施工が終わっている工事でも申請が可能

・外壁塗装にかかる費用が免責金額以上であること

壊れたところを自分で直してしまうと、火災保険を適用できなくなる場合があります。
保険会社や業者に確認してもらってから指示を受けて行動しましょう。

また、加入している火災保険の種類や条件によっては免責金額が定められており、その金額以上でなければなりません。

外壁塗装で火災保険の申請を行う手順


火災保険の申請を行う手順は大きく5つです。

①火災保険の種類を確認

②外装塗装の業者へ連絡

③保険会社へ連絡

④書類の作成

⑤保険会社による調査

⑥支払い

被害を受けた場合、火災保険の種類を確認したら、まずは信頼できる業者を呼びましょう。
自然災害では自分から見える範囲以外にも被害がある可能性もあります。

無料で点検します、といった飛び込み営業の業者が悪意を持って屋根の瓦を壊すケースもあるので、注意したいところです。

点検前に業者に火災保険を申請したい旨を伝えれば、被害箇所の撮影をする、見積書を出すなどの対応をしてくれるところもあります。

被害箇所の写真や見積もりができたら保険会社に連絡し指示を受けて書類を作成します。
申請書類の中に、被害箇所の写真や見積もりが必要になります。

書類の作成を請け負ってくれる業者もありますが、代行費用や工事費用が増えたりトラブルに巻き込まれたりする可能性もあるため、おすすめできません。

書類の提出後、保険会社が鑑定人を派遣してくることがあります。
被害箇所の見積もりや被害物の価格、業者や修繕方法、余分な施工が含まれていないかなどをチェックされます。

問題なければ保険金額が確定され、支払いを受けることができます。

火災保険の詐欺に注意

経年劣化など火災保険の適用対象外なのに、虚偽の申告をして保険金をもらうように提案してくる業者も中にはいます。

虚偽の申告をして保険金を受け取るのは詐欺行為にあたり、業者だけでなく依頼主まで訴えられる可能性もあるので絶対にやめましょう。

他にも、「必ず」無料になるといった売り文句や、保険金請求の代行の「強要」などをしてくる業者には注意しましょう。

そのような業者は高額な手数料を要求したり別の業者に依頼したら高額なキャンセル料を請求したりしてくる可能性もあります。

被害の防止のために依頼する前には代行の費用やキャンセル料などを事前によく確認しましょう。

火災保険を適用するメリット


外壁塗装に火災保険を適用する条件や注意点を述べてきました。

しかし、実際には火災保険を適用するにあたって段階を踏んで手続きする手順が多く面倒だと感じている方もいるかもしてません。
そんな方に向けて、火災保険を正しく使うことのメリットをお伝えします。

自己負担を最小限に家の修理をすることができる

修理や外壁塗装に火災保険を適用する最大のメリットは、「自己負担を最小限にして家の修理ができる」ということです。

住宅の購入は、人生で最も大きな買い物とも言えます。
そんな高額な買い物の破損や不具合は早めに補修し、少しでも寿命を長くしたいと思うのが当然です。

しかし、家族の進学や介護などの事情が起きた場合、金銭的理由から修理を後回しにせざるを得ないこともありえます。

そんなときに、自己負担額を最小限におさえてくれる火災保険が役立つでしょう。

支払っている火災保険料を無駄にせずに済む

火災保険といえば、「万が一、家に火災が起きたときの補償」というイメージを持つ方がほとんどです。
そのため、家の部分修理などでは火災保険を使わないケースが多く見られます。

しかし、実際に家が火災に遭う確率は約0.04%と非常に低く、火災の場合にのみ火災保険の申請をするのでは本来割に合いません。

ちなみに、火災保険の申請回数に限度やペナルティはありません。
ですので、災害によって家に修理が必要になったときは、積極的に火災保険を利用することをおすすめします。

火災保険を適用するデメリット

火災保険を適用して外壁塗装をすることにデメリットはないのかと心配している方もいるのではないでしょうか。火災保険で外壁塗装が何のデメリットもなく無料になるなんて信じられないと思うかもしれません。

しかし結論としては、外壁塗装に火災保険を適用すること自体には、デメリットはありません。
火災保険は保険金額内であれば申請回数に限度はなく何度でも申請でき、申請回数によって保険料が上がることもないからです。

しかし、業者の中には、火災保険での外壁塗装を詐欺手段として使っている業者や、虚偽申請による保険金の不正受給を薦めている業者が存在するのも事実です。
このような悪徳業者に引っかかってしまう可能性があることが、火災保険で外壁塗装をするデメリットと言えるでしょう。
実際に火災保険金を利用したリフォームに関するトラブルは多発しており、国民生活センターや日本損害保険協会も注意喚起しています。

こういったトラブルに巻き込まれないために確認すべきポイントをお伝えします。

「無料で修理できます」と断言する業者には要注意

「無料で修理できます」と断言する業者は危険であるということを知っておきましょう。

もちろん本当に保険金がおりて修理費用が無料になることはありますが、それは保険のプラン次第です。
契約内容を知らない段階で第三者が「無料で工事できます」とは断言できません。

「必ず保険金が使えます」などと言われてもすぐには契約せず、まずは加入している保険内容を確かめ、保険会社に連絡してからにしましょう。

工事の申込書に不審な記述がないか確認する

工事の申込書をよく読むと「保険金が足りなく工事ができない場合、◯%の手数料を払う」などといった不審な記載がされていたというケースがあります。

自宅に突然セールスマンが訪れ、屋根を見た後に「火災保険をつかえば無料で修理ができます」と勧誘され、その場で申込書にサインをさせる悪徳業者の仕業であることがあります。
契約を急かされ申込書の内容を詳しく確認せず契約してしまったために、トラブルに発展してしまいます。

後からキャンセルしたいと伝えても、「工事のクーリングオフはできるが、法律上手数料の支払い義務がある」と迫り、話のままに契約したように見せかけ、あとから手数料や違約金を請求されるケースもあります。

塗装工事自体詐欺が多いため注意が必要ですが、火災保険の申請を行う場合には特に細心の注意を払って契約する必要があります。

保険金を一部業者に支払う契約は詐欺の可能性が高い

契約条件で、「保険金の◯%を申請手数料として業者に支払う」などの条件を設けている業者はほぼ間違いなく悪徳業者だと言えます。

なぜなら、火災保険の保険金はあくまで修理費用の補償として支払われるものであり、一部を業者に渡すような契約は保険金の本来の用途ではないからです。

虚偽申請は施主も責任を問われる

本来、火災保険がおりない経年劣化による破損を、自然災害による破損と偽り火災保険を申請させる悪徳業者が存在します。
施主が自然災害による破損ではないと伝えても、「業者側でうまく申請しときます」と誤魔化されてしまうこともあるようです。

虚偽申請は保険会社との契約違反になるため、絶対に避けてください。

虚偽申請した場合、保険契約の解除・保険金の返金を求められます。

なお、最悪の場合、施主も業者とともに詐欺の共謀者として刑事上の責任を問われます。

業者から虚偽の理由での申請を進められた場合は、必ず断ってください。

申請が契約者本人である必要がある

火災保険を申請する際は、契約者本人でなければいけません。
もし、家の一部あるいは全部に被害を受けて大変な事態でも、代わりに誰かが申請をすることは法律で禁じられています。

満額支給されないケースがある

火災保険を使うことができても、満額が支給されないケースもあります。

これは災害でどの程度の被害を受けたのか判断するのは、保険会社の鑑定人になるので、一部だけしか認めなければ、足りない工事費用は自分で調達する必要があります。

支払いまでに時間がかかる

保険金が支払われるまでには、ある程度の時間を要します。

法律では、原則として保険金の請求をしてから30日以内に支払うことが決まっていますが、調査に時間がかかればそれ以上の期間がかかることもあります。

例えば、地域全体が台風や地震の被害に遭った場合、保険会社も調査をする人員が限られているため多く時間がかかることが予想されます。
そうなると、必要な時に間に合わないことも想定されます。

火災保険はいつ頃、いくら支給される?

外壁塗装で火災保険を使う場合、原則として保険会社に請求をしてから30日以内に支払われます。

ただし、これは保険法で定められている期限であり、特別な調査を必要がないときです。
警察や消防による捜査や照会が行われる場合や、大きな災害を受けた地域の家などでは、特別な照会・調査を行う事例として30日以上かかるケースもあります。

もし、支払期限を過ぎたときは、遅延損害金が支払われます。

続いて、保険金はいくらになるのか?という疑問です。

実際におりる保険金は火災保険の方式で決まります。

フランチャイズ式の場合には一般的に20万円が免責金額になっているので、それ以上になります。
そして、損害額の全額が支払われることになっています。

つまり、20万円以上ならば外壁塗装の工事で自己負担額は0円になるということです。

エクセス方式では、免責金額を自分で決められます。
エクセス方式の保険金は、損害額から免責金額を差し引いた金額になります。

ちなみに最近はエクセス方式が主流で、ある程度は工事費用を自己負担しなければならないケースが増えています。

外壁塗装でつかえる助成金・補助金について

住んでる地域によっては、外壁塗装や屋根の塗装費用に助成金を出しているところもあります。

どこの地域でも必ずあるというものではありませんが、対象であれば平均10万~20万円の補助金が工事後に受け取れるので、一度調べてみることをおすすめします。

申請方法や条件は地域ごとに異なるのでよく確認してから申請しましょう。

まとめ

加入している火災保険によっては外装塗装に適用できる可能性があります。住宅火災保険は火災や自然災害、住宅総合保険はそれに加えて人災による被害も補償してくれる保険があります。

火災保険は経年劣化などでの外装塗装には適用できませんが、加入している保険によって自然災害などによる被害を補修する場合に適用できます。

火災保険は被害を受けてから3年以内であれば請求が可能ですが、被害状況の写真が必要なことや免責金額以上であることなど条件があるので注意が必要です。

保険に関する詐欺や悪徳業者、トラブルには十分に注意しましょう。
住んでいる地域によっては外装塗装に補助金があるので調べてみましょう。

以上が、外装塗装に火災保険が適用できるかについてでした。

コラムを読んでいただいた上で、外装塗装について相談したい、外装工事を依頼したいという方は住まいるヒーローズまでお問い合わせください。

長谷川 昭人

WRITER長谷川 昭人

代表取締役

平成10年に塗装職人をスタートさせ、個人事業主のときも含めると創業24年以上。今では、国家資格の一級塗装技能士の検定員として職人の検定や実技の指導をするほど、塗装に関する技術や知識を認められるようになる。 アステックペイントというオーストラリアでの遮熱塗料シェアNo1の日本法人からも「関西での実績No1だ」と言われるようになりました。 経営理念、「住まいを通じて『安心』『快適』『感動』を証明する」を元に、お客様と社員の喜びづくりを軸に活動中。

[更新日: 2024-3-12]

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