
モルタル下地の外壁にひび割れが入ってきたときに、どのように補修すべきなのでしょうか? モルタルはひび割れが起きやすい素材ですので、ひび割れに強い塗料やひび割れの補修を知っておくと、見積書の内容や塗装業者とのやり取りがスムーズになります。
モルタル下地の外壁にひび割れが入ってきたときに、どのように補修すべきか?と疑問をお持ちではありませんか?
モルタルはひび割れが起きやすい素材ですので、ひび割れに強い塗料やひび割れの補修を知っておくと、見積書の内容や塗装業者とのやり取りがスムーズになります。
この記事では、モルタル外壁の特徴やメンテナンス方法を解説します。
モルタル外壁とは?
モルタルとは、セメントに水と砂を混ぜ合わせたものです。
建物の外壁に使われる他にレンガやブロックの接着剤や目地材としても使用される建築では非常に使用頻度が高い資材です。
モルタル外壁のメリット
モルタルの一番のメリットは、装飾性の高さです。
現場で職人の手によって作られるモルタル外壁は、表面を好みにアレンジできるだけでなく、複雑な形状の壁にも比較的自由に施工できます。
モルタル外壁のデメリット
モルタル外壁の最大のデメリットは、ひび割れが起きやすい点です。
ひび割れの主な原因は、紫外線のダメージや水分の浸水などですが、そのほかにも、地震や強風、地盤の劣化による建物の揺れや歪みなども、深刻なひび割れの原因になることがあります。
また、モルタル外壁は吸水性が高く内部で水分の移動が起きやすい素材です。
そのため、雨水や湿気を吸水しやすく、ひび割れや強度劣化などに繋がることがあります。
モルタル外壁の仕上げの種類
モルタルはペースト状なので、さまざまな仕上げ方ができます。
リシン仕上げ
セメントに砂利や砂、樹脂、着色剤などを混ぜたものをスプレーガンで吹き付けてざらざらした表面を作ります。
リシン仕上げは比較的安価ですが、表面に汚れが付きやすく、ひび割れが起きやすいというデメリットがあります。
スタッコ仕上げ
セメント、合成樹脂、骨材を混ぜてスプレーガンで吹き付けたり、コテやローラーを使って表面に凹凸を付けて仕上げる方法です。
表面を加工せずに仕上げたスタッコは「吹き放し仕上げ」と呼ばれ、乾かないうちにローラーで表面を押さえて加工する仕上げ方は「ヘッドカット」または「ヘッド押さえ」などと呼ばれています。
スタッコ仕上げの外壁は厚みが出るため、重厚感のある外観になります。
しかし、リシン仕上げよりも凹凸が大きいため、汚れが入り込むと除去しにくいというデメリットがあります。
吹き付けタイル仕上げ
樹脂などの結合材とけい砂、寒水石、軽量骨材などを混ぜてタイルガンという機械で吹き付けたものを指します。
「ボンタイル仕上げ」または「複層模様吹き付け」と呼ばれることもあります。
リシンやスタッコよりも不規則な凹凸を作ることができ、凹凸の調整は吹き付けガンの口径で調節することができます。
左官仕上げ
左官職人がコテや櫛などを使って仕上げた物です。
四角いコテの角を使って作る「スパニッシュ仕上げ」や、縞模様を櫛で引っ掻いて作る「クシベラ仕上げ」、コテを車のワイパーのように動かして作る「扇仕上げ」などが有名です。
左官職人の腕によって出来栄えが左右されるため、職人の施工事例をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
モルタル下地の外壁塗装の流れ
モルタル下地の外壁塗装の工法には単層弾性塗料、複層弾性塗料、微弾性塗料などがあります。
従来のモルタル下地の外壁塗装は下塗りにシーラー、上塗りにアクリル樹脂系仕上げ材という組合わせが多かったのですが、近年は下塗りに微弾性フィラー、上塗りに水性アクリルシリコン樹脂という組み合わせが増えています。
ローラー塗装
①下地処理
②シーラーまたは微弾性フィラーを塗布
③上塗りに目的に合った塗料を塗布
リシン仕上げ
①下地処理
②シーラー処理
③リシン塗装の2回吹き
スタッコ仕上げ
①下地処理
②シーラー処理
③リシン塗装の2回吹き
吹き付けタイル仕上げ
①下地処理
②シーラー処理
③玉吹き(主材が弾性の場合は基層塗りと玉吹きの2回)
④仕上げの塗料の2回塗り
左官仕上げ
①下地処理
②シーラーまたは微弾性フィラー塗布
③専用の塗料を塗装
モルタル外壁の劣化症状
モルタル外壁の塗装をする時期は、塗料の耐用年数からみて前回のリフォームや新築から10年が目安です。
ただし、リフォームの年数は目安でしかありません。
実際の塗装タイミングはモルタルの劣化状況で判断する方が確実性が高いでしょう。
モルタル外壁を塗装する目安となる劣化症状を紹介します。
クラック
クラックとはひび割れのことです。
クラックの種類によって再塗装の必要性や補修方法が異なりますので、それぞれの特徴や原因、処理方法の違いを区別しておきましょう。
・ヘアークラック
モルタルの水分が乾燥した時の収縮によって生じる幅0.3mm以下、深さ4mm以下の浅いひび割れのことです。
ヘアークラックが発生していても、建物の構造や鉄筋まで害を及ぼすことはありません。
しかし、外壁全体に多くのヘアークラックが同時に起きている場合は、徐々にひび割れが進行する恐れがあるため経過観察が必要です。
・構造クラック
幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラックのことです。
構造クラックから雨水が入り込み、モルタルそのものやモルタル下地のラス金網の腐食の原因になったり、シロアリなどの湿気を好む害虫が侵入する原因にもなるので補修が必要です。
チョーキング
外壁を手で触ると、白い粉状のものが付着する状態です。
塗料が劣化し耐久性が失われている状態のため、早急に再塗装しなければなりません。
エフロレッセンス
エフロレッセンスは「白華(はっか)」とも呼ばれます。
モルタル外壁の表面に白い粉が付着する現象のことですが、モルタルの強度が落ちているわけではなく、表面を洗浄すれば目立たなくなります。
モルタルに含まれる水酸化カルシウムが、内部に浸水した雨水と反応することによって、モルタルの表面に溶け出します。
すると、水酸化ナトリウムを含む水分が空気中の炭酸ガスと結合して炭酸カルシウムとなり、外壁表面に白い粉となって付着するようになります。
浮き・剥がれ
モルタル内部に浸水した水分や、外部からの強い衝撃、構造クラックの放置などが原因で、塗装が浮いたり、剥がれた状態です。
浮き上がったモルタルが剥がれると、外壁を保護する機能がなくなってしまうため早急に補修が必要です。
モルタル外壁に適した塗料
モルタル外壁に使う塗料には、いくつか種類があり、モルタルに適した塗料や工法で仕上げることが大切です。
樹脂
塗料には、アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、フッ素系塗料の4種類が存在します。
汚れが付きにくくコストパフォーマンスが良いシリコン塗料は最も人気が高い塗料です。
フッ素塗料は、この中で最も耐用年数が長く高い耐久性を発揮しますが、価格も高額です。
弾性塗料
弾性塗料とは、ゴムのような弾力性があり、ひび割れが起きそうになった時に伸びてひび割れを防ぐ効果のある塗料のことです。
ひび割れが起きやすいモルタルに適しています。
モルタル外壁に弾性塗料を塗る際は、3種類の工法を選ぶことができます。
・単層弾性塗料
シーラーを下塗り材にして高弾性の塗料を2回塗って仕上げる工法です。
通常の塗装とほぼ同じ工程で仕上げるため、あまり高い効果を得ることはできません。
しかし、近年では単層弾性でも複層弾性並の性能を持つ塗料も登場しています。
・複層弾性塗料
シーラーを下塗り材にして、中塗りに高弾性の塗料を2回塗り、上塗りに別の種類の塗料を2回塗る工法です。
しっかりとモルタルの外壁面をカバーすることができるため、ひび割れに強く、上塗りに使用する塗料のグレードを高いものにすれば防水性を高めることもできます。
単層弾性工法の約2倍から4倍長持ちさせることができますが、工程が長くなり、使用する複層塗材の量も増えるため施工費用が高額になります。
・微弾性塗材
下塗りに微弾性フィラーという弾性のある下塗り材を塗り、上塗りを2回行う工法です。
複層弾性塗料のように厚い塗膜を作ることはできないため耐久性は劣ります。
また、上塗りに使用する塗料のグレードによって耐用年数が左右されます。
まとめ
職人の手によって作り上げるモルタル外壁は、他の外壁材にはない味わい深い意匠性を持っています。
しかし、防水性が低いため、ひび割れが起きやすく正しいタイミングでメンテナンスを行うことが大切です。
せっかくの意匠性を守るためにも、外壁塗装の際は、モルタル外壁に適した塗料や工法を選びましょう。
外壁塗装をお考えの方は、住まいるヒーローズにお任せください。