「DIYで家の屋根を塗装出来ないかな?」「DIYで屋根塗装をするのは可能?」 そんな疑問をお持ちの方々に向けて記事を作成しました。 DIYで屋根塗装を実施する事に関して、可能ではあります。 しかし、安全性や技術面を考慮すると、決して推奨は出来ません。 塗装技術のない方が質の高い塗装をするのは、かなり厳しいのが現実です。 屋根塗装のDIYにまつわる情報をぎゅっと凝縮しておりますので、是非最後までご覧下さい。
目 次
「DIYで家の屋根を塗装出来ないかな?」「DIYで屋根塗装をするのは可能?」
そんな疑問をお持ちの方々に向けて記事を作成しました。
DIYで屋根塗装を実施する事に関して、可能ではあります。
しかし、安全性や技術面を考慮すると、決して推奨は出来ません。
塗装技術のない方が質の高い塗装をするのは、かなり厳しいのが現実です。
屋根塗装のDIYにまつわる情報をぎゅっと凝縮しておりますので、是非最後までご覧下さい。
屋根塗装に必要な道具
屋根塗装のDIYに必要な道具とは一体どんな物があるのでしょうか?
ここで必要な道具を紹介して参ります。
塗料(2種類以上)
屋根塗装も外壁塗装も1度塗りで完成させる事は、まずありません。
下塗り→中塗り→上塗りの3回の塗装がベーシックな塗装の方法になります。
これは、塗料が長持ちする様にする為の手段の1つです。
3種類の塗料を揃えないといけないのか?という点に関しましては、中塗りと上塗りを同じ塗料で完結させる場合が多いという事をご認識頂ければと思います。
しかし、ホームセンターで販売されている塗料を見て、どれが下塗り用でどれが上塗り用かの判別は難しいと思われます。
下塗り用、上塗り用と分けて販売している店舗はほとんどないからです。
需要もそんなに高くないので、置いていないのかもしれません。
もし、購入するならば塗料専門店を探されると良いのではないでしょうか?
養生シート、マスキングテープテープ
塗料が飛び散り、塗装部分とは関係のない所を汚れるのを防ぐ為に施す養生は、外壁のみならず、屋根の塗装にも必要不可欠です。
特に塗料の飛び散りは近隣トラブルにも繋がる可能性が高いので、養生はしっかりと施して下さいね。
刷毛(はけ)とローラー
塗料を塗るための道具です。
こちらの種類はピンからキリまで存在しますので、好みに合わせて購入してくださいね。
ただ、安すぎるものは品質がそれほど高くありませんので、ご注意ください。
高圧洗浄機
せっかく塗料を塗っても、塗る先に汚れが付いていると簡単に塗料が剝がれてしまいます。
その為、塗装には洗浄が欠かせません。
屋根は外壁より汚れは多いですので、塗料の効果を最大限に発揮するにはしっかりと洗浄しておきましょう。
なお、一般用に販売されている高圧洗浄機は、業者の高圧洗浄機よりも威力が弱めな事が多いです。
タスペーサー
屋根の種類により下塗りの後にこちらを挿入しますが、これは屋根と塗料の隙間を確保する物になります。
屋根は塗装をすると隙間が塗りつぶされてしまい、これが雨漏りの原因になる事があるからです。
雨水の逃げ場が失われる事に起因します。
安全対策も忘れないで
ヘルメット
屋根を塗装しようとするには、屋根の位置まで自分が上がらなければなりません。
安全対策は絶対に欠かせません。まずは、頭を守るためのヘルメットの用意をしましょう。
作業靴
屋根は斜めになっているのが殆どですね。
これを勾配と言いますが、この勾配で滑り落ちてしまうと大怪我に繋がります。
不安定な足元でも作業が出来るように、滑り止めの付いた屋根作業用の作業靴を使用することで、怪我のリスク回避に繋げておきましょう。
墜落制止用器具
体にベルトを巻いて、万が一落下した際の衝撃力を下げる役割を担います。
お勧めなのは、国際規格の「フルハーネス型安全帯」です。
作業を行う企業は、労働安全衛生法改正に伴いフルハーネス型安全帯が義務化された背景から、胴ベルト型ではなくこちらをお勧めします。
安全対策が欠かせない理由
厚生労働省が令和4年7月に公表した「建設業における労働災害の発生状況」の資料によると、建設業での墜落・転落災害の件数は年々減少傾向にはあるものの、令和3年で4,869件(うち死亡者数110人)となっています。
建設業の死亡災害の事故件数は288人ですから、「110/288」。
つまり、38%を占めることになります。
更に、屋根・屋上等の端・開口部からの災害がその中の約3割になるので、屋根塗装は塗装業のプロであっても危険性が高い仕事と言えます。
冒頭あいさつでも記載している通り、自分で屋根塗装をする事はこれらを踏まえても、お勧めは出来ません。
それでも屋根塗装をDIYで行うとするならば、安全対策は絶対に欠かせませんよね。
屋根塗装をDIYするメリット
好みのデザインや模様に仕上げる事が出来る
業者に理想のデザインを依頼する事はある程度可能かもしれませんが、それが望んだその通りのデザイン性で提供出来るのか?という点では、厳しいでしょう。
ここにはこんなデザインの模様が欲しいと思い描く物があるならば、自分でやる方が理想的なデザインに仕上がりますね。
費用が安くなる可能性がある
DIYをすると、作業者の人件費が抑えられますし、ある程度の道具が揃っている場合は費用面では安くなる可能性は大きいです。
人件費は屋根塗装費用の約3割程度と言われていますので、100万円の契約の場合およそ30万円の費用を抑える事が出来ますね。
「可能性がある」という表記なのは、2つ理由があります。
①5m以上の足場を組む場合は「足場組み立て等作業主任者」という資格が必要になりますので、多くの家は足場を組む場合は足場業者に依頼する事になるパターンは多いでしょう。
足場の設置費用としては1㎡につき1,000円前後が相場です。
一般的に足場費用は「家の外周+8m」×高さ×足場費用(1㎡につき1,000円前後)で概算出来ます。
簡易計算になりますので、細やかな計算は業者に問い合わせて下さいね!
※こちらは飛散防止ネットを含んでいない足場費用の計算になります。
②塗装に必要な道具を揃えるのにもお金がかかりますよね。
特に安全対策の道具は持っていない人の方が多いのではないでしょうか?
フルハーネス型安全帯の費用は結構高額になります。
☆フルハーネス型安全帯の相場:20,000円~35,000円
☆屋根作業用靴の相場:3,000円~5,000円
☆屋根塗装用の塗料の相場:1㎡当たり1,700円~(使う塗料によって全く異なります)
一般的に多く使われるのは「シリコン塗料(耐用年数10年~15年)」で、1㎡当たり約2,500円~になります。
その他、刷毛やマスキングテープ、高圧洗浄機等、道具を1から揃えていくと結構な価格になっていきます。
屋根塗装をDIYするデメリット
危険性が高い
先ほどの厚生労働省のデータからもお分かり頂ける通り、ある程度のコツを掴んでいるプロでも転落が起こってしまう危険な作業になります。
それに伴って安全装置に関して法律も改正されました。
普通の人が登れる設計になっている屋根はあまりないので、危険さが一番のデメリットです。
近隣トラブルが生じやすい
塗装中に塗料が飛散することで、近隣トラブルになる可能性が高くなります。
特に、車に塗料が付いてしまった事で、修理費用として損害賠償をする事になるというケースも考えられます。
自分では養生をしているつもりでも、きっちりと出来ていなかったというのは往々にして存在しますので、プロに任せた方が安心ですね。
作業に時間がかかる
プロであれば、塗装作業に慣れていますので2週間前後で屋根の塗装は完了します。
一方、個人で行うとなれば、人手も少なく慣れない作業で3カ月~4カ月程はかかると言われています。
クオリティーの低さ
素人が塗装するのと、塗装を専門にしている業者とでは出来栄えは大きく異なります。
例えば、塗料の均一性やムラの有無、耐久性が挙げられます。
業者は綺麗な仕上がり かつ 長持ちする手法 を最大限に発揮して塗装を行います。
例えば、高圧洗浄でしっかりと汚れを落とすのも塗料が剝がれ落ちない様に、つまり長持ちさせる為に行うステップです。
均一にムラなく塗れるのも、日々職人達が技術を磨いているからこそです。
職人達の日々の努力に素人の技術で勝るのは難しいでしょう。
また、DIYで屋根塗装を実施した場合は、クオリティーが低い分メンテナンスは業者に依頼した時の何倍も必要になるので、長期的に見たら労力もその分多くかかってきますね。
屋根をDIYするにあたって
手順
①塗装に必要な道具を揃える
最初に記述した道具を揃えるところからスタートします。
ネット通販やホームセンターに行くことで、準備万端にしましょう。
②足場を設置する(屋根に登れてもオススメします)
屋根に登る事が出来れば、屋根表面は塗装は可能だとお考えの方も多いかもしれません。
しかし屋根の端や側面は、足場が無いと塗装は厳しいでしょう。
足場に関してはDIYで素人が組み立てるのは安全面を考慮しても、技術面を考慮しても難しいです。
少し前に記載した、相場計算を行って安心できる業者に依頼しましょう。
③養生を施す
自宅での塗料が付いて欲しくない部分の保護や近隣トラブルを避けるために、しっかりと養生しておきましょう。
④高圧洗浄
塗った塗料が長持ちするように、古い塗膜や汚れをしっかり落とす必要があります。
塗装に錆があってもいけません。高圧洗浄機で屋根を綺麗にします。
汚れが残っていては、塗装をしても剝がれてしまうので、念入りに行って下さい。
⑤下地処理(下塗りを含む)
綺麗になった屋根に錆止めやシーラー(塗料の接着剤の様な役割になる)を塗布します。
屋根が「スレート屋根」の場合は、スペーサーを挿入し雨漏り防止の手順を忘れないで下さいね。
⑥中塗り
シーラーの上から、塗料を塗ります。これが2回目の塗装になります。
⑦上塗り
仕上げにもう一度、塗料を塗ります。中塗りがしっかりと乾燥してから行って下さい。
屋根は家の中で一番ダメージを食らう部分なので、塗料の厚みが必要になります。
そのため、基準塗布量はしっかりと守りましょう。
実は、基準塗布量を守らなくても完成後の屋根の見た目はほとんど変わりません。
これがポイントになります。
塗料メーカーが「この塗料であれば、〇年間耐久性がありますよ。」伝えているのは、基準塗布量をきちんと守った時の話なのです。
塗料そのものの良さを最大限に活かすには、塗料のルールも守ってくださいね。
⑧足場解体
塗り残しや抜けがないかを確認したら、足場を解体しましょう。
業者に依頼して足場を解体すれば、屋根塗装は完成です!
お掃除も忘れないで下さいね。
塗料が近隣のお家に飛散しなかったとしても、塗料の臭いや生活音でご迷惑をおかけしている可能性が大いにあるので、ご挨拶をしておくのも大切かもしれません。
弊社でも、工事の最初や最後、工事の中間には必ずご近隣の皆様へ、お客様の代わりにどのような事がこれから起こる可能性があるのかをお伝えするためにご挨拶に回っております。
お客様だけでなく、そのご近所様にも「安心」して頂いて工事を実施する事を大事にして日々頑張っております。
工期と費用
工期
一般の素人がDIYで屋根を塗装するのにかかる期間としては早くても2ヶ月。
多くの場合は4ヶ月程度かかると言われています。
忙しいお仕事をしながらで不定期になるともう少しかかると思います。
一方で、プロに依頼すれば2~3週間で完了します。
費用の相場
足場を専門の業者に依頼した場合には40~70万円が相場ではないかと思われます。
内訳としては、足場業者に支払う額の相場は、2階建ての30~35坪の家であれば「15万~18万」位になります。
使用する塗料によりますが材料費で「10~20万」、道具類(安全装置を含む)の費用で「10万~15万」程度です。
最後に
屋根塗装でDIYを実施する場合の危険性を考慮に入れた注意点や手順、費用等をご紹介して参りました。
DIYはまだまだ人気で楽しいものではありますが、屋根に関しては危険性が高いので本当にオススメは出来ません。
身の危険だけではなく、近隣へ塗料が飛散して賠償請求をされる事や、数か月と数十万円をかけて挑んだ屋根塗装が上手くいかずに剝がれてしまう事も念頭に置いて実施する必要があります。
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