屋根断熱と聞くと、「屋根で断熱する」と内容はすぐに把握出来ますが、どんな種類や方法があるのかは、あまり詳しくない方も多いのではないでしょうか? 断熱は住んでいる家に合った方法で行いますので、いくつかの手段が存在します。 近年環境に配慮する事や節電が全世界での取り組みの1つとなっています。 そんな現代社会の「SDGs」にも繋がる屋根断熱について、出来るだけ丁寧にまとめてみました。 節電が出来るのは家計にとっても嬉しい事ですので、是非お役立て下さい。
目 次
はじめに
屋根断熱と聞くと、「屋根で断熱する」と内容はすぐに把握出来ますが、どんな種類や方法があるのかは、あまり詳しくない方も多いのではないでしょうか?
断熱は住んでいる家に合った方法で行いますので、いくつかの手段が存在します。
近年環境に配慮する事や節電が全世界での取り組みの1つとなっています。
そんな現代社会の「SDGs」にも繋がる屋根断熱について、出来るだけ丁寧にまとめてみました。
節電が出来るのは家計にとっても嬉しい事ですので、是非お役立て下さい。
屋根断熱とは?
屋根の部分で断熱をする事で、家全体の断熱性能が高まる事を指します。
昔は、屋根ではなく天井に断熱を施す「天井断熱」が一般的でした。
屋根だけでなく壁を含め、断熱を行う方法には、以下の通り大きく分けて2種類もの方法が存在します。
・充填断熱工法
・外張り断熱工法
では、この2種類について1つずつ見ていきましょう。
充填断熱工法
壁の内側に断熱材を入れる方法です。
特に木造住宅に多く取り入れられている断熱方法で、柱や梁の間にシート状や、ボード状の断熱材を詰め込みます。
他にも液状の断熱材を吹き込み充填する方法も存在します。隙間なく断熱材を敷き詰める事で気密性が高くなり、冬の寒さが厳しいスウェーデンやノルウェーでも用いられる手法になります。
壁の内側を利用するので断熱材用に新たな空間を確保する必要が無い為、比較的取り入れやすく、費用も低く抑える事が出来ます。
中でも注意しなければならないのが、細かい部分まで粒状にした断熱材を機械で吹き込んでいく方法です。
断熱材を端まで綺麗に敷き詰めるのは、少し難易度が上がるので、機械を利用する事が多いようです。
外張り断熱工法
建物全体を外から包むように、ボード状の断熱材を柱などの構造材の外側に付けていきます。
外側から覆うので、構造材の保護にもなりますね。
柱や梁などの外側に設置するので、機密性は安定しますし、夏も冬も外部と室内との温度差がなくなるので、結露もしにくくなります。
充填工法を施工するには、天井を剥がしたりする分、大掛かりになりますので、リフォームやDIYで行う場合はこちらを採用する場合が多いでしょう。
断熱材の種類
天然繊維
よく知られているのは、羊毛を原料とした「羊毛断熱材」や、木材由来の「セルロースファイバー」です。
羊毛断熱材は熱が加わっても、炎が出にくく燃えにくいのも特徴です。
有毒ガスも発生しません。繊維1本1本の間に空気を含むことで断熱力を発揮します。
好きな形に切る事が出来る為、端まで綺麗に敷き詰められます。
セルロースファイバーは、木質繊維なので湿度が高いときには湿気を吸収し、乾燥していれば湿気を放出します。
繊維の間だけでなく繊維1本1本の中にも小さな空気の層を含んでいるので、その空気が断熱力を発揮してくれるのです。
吸音性がある事でも知られており、音が気になる方には持ってこいな繊維です。
無機繊維
よく知られているのは、ガラス繊維の「グラスウール」や、鉱物由来の「ロックウール」です。
グラスウールは、主原料の85%を建築現場、家庭などから回収される資源ごみからなるリサイクルガラスを使用していると言われており環境にも優しい今のご時世にピッタリな繊維です。
細かいガラス繊維が複雑に絡まり合い、空気を閉じ込める事で断熱力を発揮します。
ロックウールは、鉱物(天然岩石)を主原料としますが、これらは1500度以上の高温にして溶かすことで、繊維化しています。
その為、燃えにくく湿気に強いのが特徴です。
コストパフォーマンスに非常に優れています。
発泡プラスチック
意外にもこちらにも複数の種類が存在します。
押出法ポリスチレンフォーム(XPS)やフェノールフォームなどが挙げられます。
イメージとしては、発泡スチロールです。
発泡スチロールが月日が経っても、形が崩れることもないのと同様に、こちらも変形しませんので、隙間などが出来る心配もありません。
また、軽くて水に強いのも特徴です。
断熱材として使える様に衝撃吸収にも強く作られています。
塗料断熱
現在、上塗り塗料には非常に多くの種類が存在します。
その塗料の中には「遮熱・断熱」の機能を備えた物があり、その塗料を屋根に塗装するだけで、室温が3度前後涼しくなります。
また、冬場は保温される効果もあり、一番気軽に出来る屋根の断熱手段になります。
上記2つの工事を伴う断熱と比較すると効果は低くなってしまいますが、気軽さや費用面で弊社で屋根の塗装を検討される方の90%以上は、この遮熱・断熱効果のある塗料を選択されます。
弊社では「GAINA」や「プラチナリファイン」という断熱塗料を扱っております。
屋根断熱のメリット
①断熱効果が高い
天井断熱の場合、天井裏の空間は断熱されていません。
なので、その部分の熱気が室内空間へ影響し、2階の部屋が暑くなる事もしばしばあります。
屋根断熱の場合は、上からの太陽のエネルギーを断熱するような仕組みになっていますので、断熱効果が高くなります。
②屋根下空間の利用が出来る
吹き抜けやロフトなど、天井裏となるはずの空間も活用する事が出来るので、開放感があり、また空間を有効活用することが出来るのも魅力です。
屋根下の空間も室内と同じ環境を保てるので、このような活用方法が生まれるのです。
デザイン性も高くなりますので、オシャレなお家になりますね。
屋根断熱のデメリット
①冷暖房の費用が高くなる
屋根下に室内と同じ空間が生まれる事で、場合によっては冷暖房の効率が低下してしまいます。
冷暖房の風を行き届かせる範囲が広がる事が原因です。
②工事費用が高くなる
断熱材を入れる、組み込むとなると手間がかかるため工事費用が高くなります。
また、屋根断熱では天井断熱に比べ、必要になる断熱材の量も多くなります。
断熱材の量が増えれば増えるだけ、費用も比例して高くなっていきます。
③断熱材の厚さに限界がある
お家の構造の関係上、断熱材の厚みに制限が出てくる可能性もあります。
天井断熱は天井の上に敷く断熱材の厚さに制限はありませんので、それも大きな違いになってきます。
家の構造を変えずに済む方法
ここまでご覧頂いた皆様もお分かりの通り、屋根断熱も天井断熱も、どちらも大幅な工事が必要になってきますね。
そして、その分費用も大きくなっていきます。
そこまでの大規模改修は余裕が無いなぁ…とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にオススメなのが、遮熱・断熱塗料による屋根塗装です。
特に前回からの屋根塗装から10年以上経過している方は塗装の塗り替えの時期になりますので、最高のタイミングになりますね!
ここで、遮熱・断熱塗料のオススメ2つをご紹介致します。
①断熱塗料GAINA
<魅力>
・2013年国内遮熱・断熱塗料シェア No.1(ペイント&コーティングジャーナルより)
・2017年度省エネ大賞「審査委員会特別賞」受賞
・JAXAの共同研究から生まれた商品
・多機能性(断熱・高耐久・防音・結露抑制など)
・国土交通大臣から「不燃材料」の認定
②超低汚染リファインシリーズ
<魅力>
・2021年国内遮熱・断熱塗料シェア No.1(ペイント&コーティングジャーナルより)
・温度上昇の主要因となる近赤外線を効果的に反射する塗膜を形成
・業界でもトップクラスの低汚染性
・紫外線に対して強い高耐候性
・耐用年数20年以上の種類も存在
※遮熱とは太陽光を反射して室内の温度上昇を防ぎます。
断熱は熱の移動を抑え、温度上昇も防ぎますが、冬には保温効果も期待出来ます。
このような遮熱・断熱塗料を使用することで、電気代が最大20%削減出来るとも言われます!!
塗装は家を長持ちさせる手段の1つです。劣化を修正しつつ、遮熱・断熱の役割も果たしてくれるのは魅力も大きいのではないでしょうか?
断熱材の費用相場
先ほど挙げた断熱材(塗料を除く)の費用相場をまとめてみました。
1㎡あたりの単価で見てみましょう!
・羊毛断熱材
およそ2,000円~3,600円 (充填断熱に適する)
・セルロースファイバー
およそ6,000円~9,000円 (充填断熱に適する)
・グラスウール
およそ600円~1,800円 (充填断熱に適する)
断熱材の中でも安価な素材です。
・ロックウール
およそ600円~1,800円 (充填断熱に適する)
断熱材の中でも安価な素材です。
・XPS
およそ1,600円~3,000円 (充填断熱にも外張りにも適する)
・フェノールフォーム
およそ3,000円~6,000円 (充填断熱にも外張りにも適する)
なお、塗料の場合は、各塗装店や塗布面積により変動します。
詳しい情報は是非、弊社へお気軽にお問い合わせください。
最後に
断熱についての情報を集めてみました。
断熱の方法には色々な種類が多くて悩みますよね!
長く住むお家の事ですので、じっくりと考えて頂く上で、選択肢が多いに越したことはないと思います。
断熱の為に、大幅なリフォーム工事を検討される方には、塗料による遮熱・断熱の手段も知って頂きたく、このような記事を作成致しました。
是非、様々な視点から比較&検討なさってください!
秋になり、比較的過ごしやすい気温になってきたので、寒くなる前にDIYで断熱処理をしようかな?とお考えの方も多いのではと思います。
少しでも多くの方々のお役に立てる記事になりますように☆