アスファルトシングルの見た目が気になる場合や石粒が落ちてくる場合は塗装をすることで改善できます。 そこで今回は、アスファルトシングルの屋根の汚れや色褪せが気になる場合の塗装について費用相場や注意点を解説します。 また、塗装以外のメンテナンスが必要な劣化症状などもご紹介しますので、耐久性に関係するメンテナンスが気になる方もご覧ください。
目 次
アスファルトシングルの家にしてから10年。
汚れが気になってきて塗装を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アスファルトシングルの種類によっては20年もつものもあれば、10年ほどで汚れや色褪せが気になってくるものもあります。
ただし、アスファルトシングルは塗装をしても耐用年数が長くなるとは限りません。
表面を塗装で保護するだけでは、屋根全体の耐用年数が長くなるとは考えにくく、費用がかかるだけもったいないのでおすすめしていない業者も多いです。
見た目が気になる場合や石粒が落ちてくる場合は塗装をすることで改善できます。
そこで今回は、アスファルトシングルの屋根の汚れや色褪せが気になる場合の塗装について費用相場や注意点を解説します。
また、塗装以外のメンテナンスが必要な劣化症状などもご紹介しますので、耐久性に関係するメンテナンスが気になる方もご覧ください。
アスファルトシングルの特徴
アスファルトシングルとは、ガラス繊維基材にアスファルトを配合して、表面を石粒でコーティングしたシート状の屋根材です。
主にアメリカやカナダで使用されている屋根材になりますが、軽量で価格も安く、施工しやすいため、最近は日本でも使用されています。
アスファルトシングルのメリット
アスファルトシングルのメリットを紹介します。
カラーバリエーションやデザインが豊富
アスファルトシングルにコーティングされている石粒にはさまざまなカラーバリエーションがあるため、お好みの色やデザインを選べます。
屋根材の色やデザインにこだわりたい方におすすめです。
耐震性が高い
アスファルトシングルは軽量なため、住宅に負担を与えず、地震に強いです。
地震が多い日本の住宅に向いている屋根材といえます。
加工しやすい
アスファルトシングルは、軽くて柔らかいシート状の素材なので、加工しやすく、複雑な屋根の形状にも施工しやすいという特徴があります。
アスファルトシングルのデメリット
次に、アスファルトシングルのデメリットを紹介します。
石粒が落ちてくる
経年劣化により、アスファルトシングルの表面にコーティングされた石粒が落ちてくることがあります。
アスファルトシングルの小さな石が落ちてきたら、劣化のサインです。
強風に弱い
アスファルトシングルは軽量なため、強風によって飛ばされたり、剥がれたりする可能性が高いです。
定期的にメンテナンスして、破損箇所がないかチェックしましょう。
カビが生えやすい
アスファルトシングルは湿気に弱いため、カビが生えやすいというデメリットがあります。
カビを放置していると劣化が進んで、雨漏りの原因になったり、見た目が悪くなってしまいます。
施工に慣れている業者が少ない
日本では、アスファルトシングルの施工に慣れている業者が少ないため、技術によっては剥がれやすくなってしまうことがあります。
日本は台風も多く、強風にさらされる可能性も高いので実績のある業者に依頼しましょう。
アスファルトシングルを塗装した方がいいケース
アスファルトシングルの屋根を塗装しても、屋根自体の耐用年数が延びるとは限りません。
塗装をしていても、強い風が吹けば剥がれることもありますし、内部の防水シートが傷んでいれば雨漏りが発生します。
そのため、アスファルトシングルを塗装すべき場合にだけ塗装をおすすめします。
これからご紹介する2つの状態のどちらにも当てはまらない場合は、屋根の劣化に合わせた塗装以外のメンテナンスを行いましょう。
汚れや色褪せが気になる
屋根の汚れや色褪せ等、見た目が気になる場合は塗装で改善できます。
アスファルトシングルは、紫外線を浴びることによって色褪せしてしまったり、コケなどが生えて美観を損なうことがあります。
屋根の勾配が急な家ほど、屋根が外から見えやすく、汚れなども気になりやすいです。
見た目を綺麗にしたいとお悩みの方は塗装を行いましょう。
表面の石粒が落ちてくるのが気になる
アスファルトシングルの表面にコーティングされている石粒の落下が気になる場合は塗装を行いましょう。
この石粒はがっちりと屋根材に固定されているわけではないので、施工中も施工後も少しずつ落ちることがあります。
石粒が落ちてくることで直接の雨漏りの原因にはなりませんが、気になるようであれば塗装することをおすすめします。
石粒はシート状の屋根材を保護しているものでもあるので、塗装して落下を防ぐことで、表面の耐久性が多少上がることも期待できます。
アスファルトシングルの塗装費用相場
アスファルトシングルの塗装にかかる費用相場は、1㎡あたり3,000円~5,700円ほどです。
30坪の一般的な戸建て住宅の場合、相場は30~56万円程度です。
使用する塗料によっても費用相場は変動します。
また、大手の会社や、メーカーに塗装工事を依頼すると、中間マージンが発生して相場よりも費用が高くなる可能性があります。
適正価格で行いたい方は、塗装専門店に依頼することをおすすめします。
塗装工事の内訳
アスファルトシングルの塗装には、足場の設置や高圧洗浄などの施工費用がかかります。
アスファルトシングルの塗装にかかる費用の内訳は次の通りです。
塗装工程 | 費用相場(/㎡) |
足場の設置 | 700~1,000円 |
高圧洗浄 | 200~300円 |
下地調整(ケレン作業) | 300~700円 |
縁切り | 350~800円 |
ケレンとは、鉄製の屋根を研磨して、塗料の密着性を上げるための作業です。
ケレン作業が丁寧に行われていないと塗膜が剥がれやすくなるため、欠かせない工程となります。
また、縁切りとは、屋根材同士の縁を切って、隙間を作る作業です。
塗料で埋まった部分に隙間を作るための縁切りをしないと、雨漏りが発生する可能性があります。
塗料選びの注意点
アスファルトシングルを塗装する際の塗料選びの注意点をお伝えします。
アスファルトシングルの屋根塗装は、他の屋根材よりも全体的に実績が少ないです。
そのため、知識や経験のない職人が塗装すると、適切な塗料を選べず初期不良などの不具合を起こしてしまう可能性があります。
綺麗に仕上げてもらうためにも、業者に工事を依頼する前に必ず目を通しておきましょう。
水性塗料を使用する
アスファルトシングルを塗装する際は、必ず水性塗料で塗装しましょう。
油性塗料(溶剤系)を使用すると、アスファルトが溶け出してきてしまいます。(ブリード現象といいます)
塗装を依頼する業者がきちんと水性塗料を使用するのか、必ず確認しておきましょう。
ツヤ消し塗料で塗装する
アスファルトシングルを塗装する際は、ツヤ消し塗料で塗装しましょう。
通常屋根の塗装はツヤありの塗料で塗装することがほとんどですが、アスファルトシングルは違います。
アスファルトシングルに、ツヤのある塗料を塗ってしまうと、屋根が塗料を吸い込んでムラのある仕上がりになってしまいます。
したがって、アスファルトシングルを塗装する際はツヤ消し塗料を選びましょう。
このような症状がある場合は塗装以外のメンテナンスが必要!
塗装以外のメンテナンスが必要な状態についてご紹介します。
塗装はあくまでも見た目の改善が目的です。
実際に、屋根がめくれてしまったり、雨漏りが発生したりしたなど、耐久性に問題が発生した場合は、塗装以外のメンテナンスが必要です。
アスファルトシングルをメンテナンスするタイミングは以下の症状が出てきたときです。
屋根材のめくれや剥がれ
屋根材の一部がめくれたり剥がれたりしている場合は、一部張り替え補修を行ないましょう。
アスファルトシングルは、軽量なため、下から巻き上げる強風で、屋根材がめくれてしまうことがあります。
めくれの範囲が広いと、内部の防水シートが剥き出しになり、雨漏りに繋がります。
そのため、めくれや剥がれなどの症状を見つけたら早めに補修を行いましょう。
費用は一枚あたり4,000~10,000円ほどです。
屋根の傾斜が急だったり、立地によっては、一部補修でも足場が必要な場合もあるので、まずは点検と見積もりを依頼しましょう。
屋根材自体の経年劣化
屋根材自体が20年以上経ち、経年劣化してしまった場合は、上からカバー工法を行いましょう。
カバー工法の場合は、葺き替え工事と比べて、元の屋根材の撤去作業がないので費用を抑えることができます。
費用は100~150万円前後です。
カバーする際に何の種類の屋根を乗せるかによって費用が変動します。
雨漏りの発生
雨漏りが発生した場合は、既存の屋根材をすべて撤去して、新しい屋根材を設置する「葺き替え工事」が必要になります。
アスファルトシングル自体は20年~30年持つものもありますが、屋根の防水シートは20年前後で劣化してしまう場合があります。
屋根の状態が良くても防水シートが傷んでしまえば雨漏りが発生します。
雨漏りが発生した場合、防水シートや内部の野地板交換や補修が必要になるので、カバー工法ではなく
葺き替え工事が必要です。
葺き替え工事の費用は150~200万円前後です。
カバー工法同様、屋根材の種類によって費用は変動します。
定期点検の目安
屋根の美観や長持ちさせるためにも、アスファルトシングルは10年に一度定期点検を行うと良いでしょう。
アスファルトシングルの耐久性は長くて30年ほどもつものもありますが、10年ほど経つと色褪せや汚れなどが目立ってくる場合があります。
屋根は雨風にさらされる場所なので、定期的に点検してメンテナンスをしなければなりません。
定期的なメンテナンスを行うことで、耐久性を維持できるのです。
点検時には、屋根材の剥がれはないか、色褪せは起きていないかなどを目視でチェックします。
また、目視で判断できない箇所は、直接屋根に登って点検することが多いです。
高所での作業は転落の恐れがあるため、屋根に登っての点検・メンテナンスは専門業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
アスファルトシングルの屋根の色褪せや汚れが気になってきたら、塗装を行いましょう。
屋根は普段見えない場所なので、定期的に点検・メンテナンスをして長持ちさせていきましょう。
屋根塗装をお考えの方は、住まいるヒーローズにお任せください。